石材店・石・建築石材『全国建築石材工業会』
 


外壁
内壁
階段
玄関
浴室
外溝
  外構材
  外構で使える自然石
  擬石にもいろいろある
  コンクリート型舗装
  忘れがちなポイント
チェックポイントTOP




 
戸建て住宅の外構工事に使用される仕上げ材は、従来はコンクリートの2次製品が主流であったが、近年、自然素材のもつ温かみや微妙な色ムラが現代人の感覚に好まれるようになってきた。特に昨今のガーデニングブームの影響から、石材を使った事例が注目を浴びるようになり、同時に海外から比較的安価な自然石や同じテクスチャーを持ったさまざまな擬石が入るようになった。まだまだ、個人住宅の一部に使われているに過ぎないが、ここでは、今後の用途拡大が期待されるそれらの素材を紹介したい。

今回取り上げる素材は、@自然石割肌の乱形乱張り材(方形材の端材)、 A壁材、床材としてのセメント系の擬石、 Bコンクリート舖装に自然素材のテイストを入れた型押し舖装、の3点である。


外構材として使える自然石には、表1のような種類がある。これらの材料は方形材を採取する際に出る端材が多いので、一辺の切口は機械切りの直線的なもので、その他の辺は、産出した状態の山切りになっている。表面は手バツリによる味のある割肌であり、平滑な石層面が多く見られる。  
表1 入手可能な自然石材の種類(乱形乱張り材)
石 種 特       長
鉄平石 長野県諏訪、佐久地方のものが多い。暗褐色、濃灰色、が入り交じり、伝統的な木造軸組工法の和風住宅などの門塀、玄関に欠かせない
石英岩 北欧産、ブラジル産が多い。ダークグリーン系、ベージュ系、ピンク系で光沢のあるものが多く、住宅の玄関、アプローチ、浴室での使用が多い
粘板岩 インド産、ブラジル産が多い。国内では宮城県産の玄昌石が有名だが、洋風の現代的な住宅には海外産出のベージュ、ピンク、グリーン系の明るいイメージのものが好まれて使われている
砂岩 インド産、オーストラリア産が中心。ベージュ、ブラウン、ピンク系が多い。柔らかい質感と風合いが特徴。吸水率がよいので壁材として使われることが多かったが、近年床材として使えるものが入手可能
大きさは直径300〜500oが中心で、材の種類によっては最大700o以上のものが含まれることがある。厚みは、石種によって異なるが、15〜30oくらいのものと、25〜40oくらいのものに大別される。これらの材料は、端材であるため、役物として輸入前に加工することはほとんどなく、現場加工で対応する。

主な用途としては、@床材および壁材(幅木)として張る、A土留めの化粧として小口(小端)積み、B庭園、住宅のアプローチなど通路に飛石風に敷く、などが挙げられる。石種により共なるが、基本的に輸入品が多いので、在庫がない場合は、注文後早くても1〜2ヶ月、通常は2〜3ヵ月みておく必要がある。時問がかかるのは船便のためだ。

図1 自然石の施工手順(床、壁材の乱形乱張りの場合)
@ 仕上げの高さの確認後、下地調整(から練り)
  ↓
A 破片・割れ物・汚れ物を取り除き、大きさ別に分別
  ↓ 
B 配石および手バツリまたはベビーサンダーによる小口合せ
  ↓ 
C 適時下地調整と石の圧着(モルタル)
  ↓ 
D モルタル目地詰めとコテによる目地押え
  ↓ 
E 石材に付着したモルタルの拭き取り(スポンジ+水)
施工後、半日程度で人間は乗れるが、車両は2〜3日後(冬季はプラス1〜2日後)まで養生期間をおいた方がよい。(飛石の場合、上記B〜Dは不要。ただし、周辺の埋戻しや植栽、砂利などの仕上げが必要) 
工期は下地によっても変わるが、通常下地完了後、据え付けに1人、資材運搬などの手元1人(2人1組)で考えると、1組の1日当たりの、平均施工数量は15〜20uが目安となる。だたし、石種や張り方、目地幅によって著しく差が出るので参考程度と考えてほしい。施工手順については図1を参考にしてほしい。

コストについては、総施工数量、現場状況(搬入方法、施工状況)、目地幅などによって大きく左右されるので、一概にいえないが、玄関・アプローチなどを例にとると表2のようになる 
表2 自然石材のコスト(玄関、アプローチ)
項       目 単価(円/u)
 コンクリート下地台(路床、路盤工事含めて)  8,000〜9,000
 下地調整費  2,000〜3,000
 石材費(材および厚みにより差異あり) 10,000〜11,000
 同上運搬費(コンテナ単位の出荷のため)  1,000〜1,500
 施工(張り)手間 12,000〜13,000
 発生材処分費(石材の切片、割片)    800〜1,200
 合    計 34,300〜38,700