石材工事は、①水平に施工する部位(床、段石など)、②垂直に施工する部位(壁、幅木など)、③天井部位、の3つに分けられる。たとえば、同質同寸の石材を乾式工法で床と壁、天井に張る場合、壁石工事のコストは、床の15-25%増、同じく、天井石工事では30-40%増となる。石は重量物であるから床の上に置く敷石張りと、もち上げて張る石の人工手間が変わるのは当然である。また、乾式工法では金物が出費増となる。また、壁石や天井石は必ず小面磨きや厚み決め、江戸切り、溝彫りなどの床石にはない加工手間がかかる。柱型、梁型などの張り石には、出隅部の小而厚み決めや留め合口の加工が必要である。これ以外に色柄合せがある。特に大埋石の場合、色柄を壁面に表現するため、原石加工などのコストがかかる。この点を設計者が理解し、規格品的手法で施工するなら、かなり安上がりになる。