石の性質
【花崗岩】
地下のマグマが地殻内で地下深部にて冷却固結した結晶質の石材で、硬く、美しく、耐久性に富む石材として建築物の外部を中心として最も多く用いられている。一方、硬いため加工費がかさみ、含有鉄分でさび色が出たり、耐火性の点でやや劣る。
【安山岩】
安山岩は噴出した火山岩で、地表近くに塊状・柱状あるいは板状で露出している。組成鉱物は、斜長石・角閃石などで硬く、色調は灰褐色のものが多く、光沢がない。組成によりいくつかの種類があり、花崗岩に似た色と斑紋をもつ美しいものがある。
【大理石】
大理石の呼称は、結晶質石灰岩を指し、特に中国雲南省大理府で産出する石材につけられたものであるが、蛇紋岩などを含む装飾性に富む石材の総称として用いられている。
【粘板石】
粘板岩は通称「スレート」と呼ばれ、古生層や中生層で凝固した水成岩で、均一で非結晶質の板状組織をもち、粘土に炭素物質や酸化鉄分が混在した組成・状態になっている。
【砂岩】
砂岩は種々の岩石が、粗粒となり水中に堆積し、膠結したもので、安山岩と凝灰岩の中間の強度を持ち、耐火性が高く酸にも強い。吸水率の高いものは、外装に採用すると凍害を受けることがある。また、汚れや苔が付きやすく、十分なメンテナンスが必要である。
【凝灰岩】
凝灰岩は噴出した火山岩・砂・岩塊片などの火山噴出物が水中あるいは陸上に堆積して凝固したもので、層状または塊状で存在する。
【石灰岩】
石灰岩は大部分が炭酸カルシウムからなる岩石で、炭酸石灰質の殻を持つ生物の化石や海水中の成分が沈殿したものである。