(2)発注時の注意
今回紹介した材料はほとんど輸入品であり、日本の代理店が国内に在庫をもっているものが多い。しかし、メーカーによっては受注後、国外に発注するケースもあるため、予想以上に施工数量がかった場合を考えておく必要がある。その辺も含めて、材料発注の際のポイントを数点挙げておく。
- 注文時には必要数の5-7%は多めみておく(10%みておけば間違いないが多すぎても処分に困るので、非常に難しい。分損は各材料によりまちまち)
- 総在庫数の確認(追加注文可能か)
- 必要注文数量は1度に納入可能か。それとも数回に分ける必要があるか
- 搬入方法の確認(搬入車輌はどれくらいの大きさか、現場周辺に車輌規制はかかっていないか、荷下ろしの方法は、フォークリフトか、ユニック車かまたは手下ろしか、置場と施工地までの距離はどのくらいか)
- 納期の確認(注文後、現場着までに何日必要か)
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(3)発生雑材、残材について
建設資材全般に共通の問題であるが、これらをどうするかで、工期、費用が大きく左右される。以下の1〜5について、どう対処するかあらかじめ考えておく必要がある。
- 梱包材、搬入材パレットの処分
- 破損品、破片などの処分(タイミングによっては・砕いて砕石として場内で再利用も考えられるが、機を逃すと産業廃棄物になる)
- 積極的な再利用(片付けの仕方などによって廃棄物が有用物になる)
- 他の現場との使い回しは可能か
- アフター対応用として、どの程度(量、期間)竣工後も予備材を置けるか
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今回紹介してきた材料は、通常の2次製品と比べると確かに見栄えもよく、経年変化によってさらに愛着や価値(味)がでてくるものばかりだが、イニシャル面が優先されると採用しづらい。しかしそこであきらめずにちょっと見方を変えるといい。たとえば、「どうしても駐車場に自然石を張りたいが全部石にする予算がない」というときは、目に付きやすい場所だけは石を張り、残りはコンクリ一ト舗装にその石を何枚か入れるだけで、全体の統一感がとれる(写真4)。
また、「既存のブロックがどうも気にいらない」というのなら、天端に擬石を1列回したらどうだろう。本物の石で均一な厚みのあるものを使ったら大変な金額がかかるが、擬石なら3割は安くできる(写真5)。このように、素材をいかにうまく使うか、つまり、ニセモノと本物をどう使い分けるかによって予算をかけずに見栄えのするものをつくることができるのだ。
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